アメリカ心臓病協会による心臓病患者の性行為sexに対する推奨事項

アメリカ心臓病協会による心臓病患者の性行為sexに対する推奨事項

アメリカ心臓病学会から、心臓疾患を患っている患者様の性行為sexに関するステートメントが発表されました。
アメリカ心臓病学会は、全世界で最も権威のある循環器学会です。そこからのステートメントは、非常に重要な意味を持つと思われます。

性行為sexは、男女ともに生活に質を維持する上で、重要な項目の一つです。
心血管疾患を罹病された患者様(心血管疾患を患っている方には、高齢者も多く含まれます)、そのパートナーにおいても同様です。
性活動は、心血管疾患を患っている方において、しばしば減少しております。これはまた、不安神経症うつ病との関係も見受けられます。

アメリカ心臓病学会のステートメントの目的は、性活動と心血管疾患に関する様々なデータを解析し、推奨されるべき治療法などを提供し、内科医や、 他の健康増進に関わる従事者を、シアリス 通販性行為sexに関する知識等を育成する事にあります。
ここで報告されるものは、
既に出版されている様々な研究報告
The Princeton Consensus study
The36th Bethesda Conference
European Society of Caridiologyより発表されている、心血管疾患患者における肉体運動やスポーツ参加に関する報告
the American college of Cardiology / American Heart Associationとその関連施設による実践ガイドライン
様々な学問領域の専門家グループの報告
に基づいております。
また、それらの科学的根拠(エビデンスレベル)のクラス分けは、ACCF/AHAの基準に従っています。

性活動の心血管系に与える急性影響

男性における異性間の性行為sex中に現れる性的刺激や、性行為sexに対する心血管系や神経内分泌反応に関する研究は、数え切れないほど多く報告されています。
前戯中、収縮期血圧拡張期血圧、体血圧、心拍数は軽度の増加を認めます。
これらは、性的刺激が加わると、より一層の一過性増加を伴います。 最も増加するのは、オーガズムの10~15秒間の間ですが、すぐに正常値に回復するとされています。

男性と女性の性行為sexに対する、神経内分泌反応や血圧、心拍数の変化は、似た傾向を示します。
若い既婚男性を対象にした研究では、通常のパートナーと営む性行為sexは、3~4METS(metabolic equivalents)に相当します。 これは、1階から3階まで階段を登ったり、元気よく歩くことと、同程度の運動行為にあたります。
心拍数は、まれに130回/分を超え、正常血圧の方であっても収縮期血圧は170mmHgを超えます。 しかし、ある研究では、威哥王正常血圧の男性のオーガズム時の心拍数や血圧の上昇は、個人差が大きいと報告されています。
これらの報告は、健康な若い~中年男性についての報告であり、一般に、性行為中sexの心筋酸素需要量が、 階段で1回から3階まで登るのに等しいとされることは、全ての個人にあてはめる事が出来ません。 とりわけ、高齢者や運動不足の人、心血管疾患を患っている方です。
それゆえに、性行為sexは、軽度~中等度の運動と同程度の運動行為であり、個人の状況を考慮して、3~5METS程度と考える方が妥当である。

一部の患者では、服薬されいる薬剤や、心因的な問題により、オーガズムに達するのが困難です。 頂点へ登りつめようと試みた場合は、心血管系への負担と消耗を伴うが、努力により可能と考えられます(これを実証するデータはありません)。

まず、序文です。
性行為sexによる、お体の変化や負担について説明されています。
当クリニックのホームページでも説明しておりましたが、性行為sexは医学的には運動行為ととらえられます。
各々の運動耐用能に応じて、性行為の可否が判断されます。

一度には、全て説明しきれないので、項目ごとに分けて、ご紹介してゆきたいと思います。

脂質異常症治療薬であるリピトール(アトルバスタチン

脂質異常症治療薬であるリピトール(アトルバスタチン)はEDを改善する-シアリスとの比較-

脂質異常症の治療薬であるリピトール(atorvastatin)に、ED改善効果が期待できるとの報告です。
脂質異常症で治療されている方も、非常に多くいらっしゃいます。
その中心的薬剤であるリピトール(アトルバスタチン)が、どうやらED改善をきたす可能性がありそうです。
International urology and nephrology. 2012 Jan 18;に記載された研究報告です。

男性にとってEDは、重要な関心事項ですが、脂質異常症も大切な疾患です。 脂質異常症は、動脈硬化を生じ、心筋梗塞などシアリス 通販動脈硬化性疾患を生じるだけでなく、 やはり、動脈硬化から、血管性EDを生じえます。
この報告では、タダラフィルシアリス)の服用と比較して、リピトール(アトルバスタチン)が、 どの程度、ED改善効果を示すかというものです。

120人の中等度~重症ED患者様を対象とし、無作為に、毎日リピトール10mgを服用する群、 タダラフィルシアリス)20mgを週3回服用する群、なにも服用しない群の3群に振り分け、調査されています。
対象となる男性の平均年齢は56歳。
各群間で、研究開始時および、3カ月後に、テストステロン値(男性ホルモン)、血清コレステロール値、 IIEFスコア、NPTテスト(夜間陰茎腫脹テスト)が調べられ、比較されております。
当然ですが、研究前の各パラメーターの差異はございません。

結果ですが、当然と言えば当然ですが、勃起機能の一番の指標になるIIEFスコアは、タダラフィルシアリス)服用群で、最も改善を認めています。
注目は、リピトール(アトルバスタチン)服用群ですが、なにも服用していない群に対して、IIEFスコアが有意に改善しています。
NPTテストにおいても、同様の傾向がしめされています。

タダラフィルシアリス)服用群は、リピトール群や、何も服用しない群に対して、明らかに、勃起機能が改善されています。
リピトール服用群ですが、タダラフィルシアリス威哥王服用群には及びませんが、何も服用しない群より、やはり、勃起機能は改善されています。 この傾向は、血清コレステロール値が、高い方に強く表れているとのことです。

なぜ、リピトール(アトルバスタチン)が、EDを改善したのでしょうか?
最近では、リピトール(アトルバスタチン)などのstrong statinと呼ばれる脂質異常症治療薬の、血管内皮機能の改善作用が指摘されています。 恐らくは、これが、関係しているのでしょう。
それとも、他になにか機序があるのでしょうか?
また、strong statinと呼ばれる薬剤は、クレストール(ロタバスタチン)、 リバロ(ピタバスタチン)などもございます。 リピトールだけの特別な作用なのでしょうか?
興味は尽きません...

脂質異常症が、動脈硬化より血管性EDを来たすことを考えると、治療しないわけにもいかないと思いますが、その治療薬の選択の一助になる報告です。
脂質異常症が改善し、EDも改善するなら、治療しない手はないですね。